本当に全裸忍者は強いのか?

 

  管理人のはなちゃんです。Wizardryといえば全裸忍者、全裸忍者といえばWizardryなどとよく言われますが、実際にWizardryをプレイした人からは「思ったほど全裸忍者が強くない…」という意見がしばしば聞こえてきます。シナリオによって装備品が異なるので、ここでは#1の全裸忍者と装備を固めた忍者どちらが強いのかについて、検証していきましょう。忍者は転職でしかなれない(一部のプラットフォームでは最初から忍者を作ることも不可能ではない)ため、ある程度冒険を進めてから忍者に転職させたとして考え、資金は潤沢にあるものとします。


忍者の特徴

 忍者と他の職業の違いについては、
・盗賊ほどではないが、宝箱の罠の見極め&解除ができる
・装備品を何も身につけていない状態でもACが低く、そこそこの攻撃力がある
・たまにクリティカル攻撃(Wizardryのクリティカルは首刎ね、即死です)を繰り出す
・手裏剣を装備できる
 といったことが挙げられます。忍者の場合、宝箱の罠の見極めの成功率はAGI×4(%)、解除の成功率は(LV/256-(現在の階層)-7+50)/70(%)となっています。全裸でも装備を固めていても変わりません。


忍者の耐久性について

 ACとはアーマークラス(Armor Class)の略で、一般的なRPGにおける防御力や回避率のようなものです。忍者以外の職業では、何も装備していない状態だとAC:10で、数値が低くなるほど効果が高くなります。マニュアルによれば、AC:-10の冒険者は米軍のシャーマン戦車並の耐久力があるそうです。
 忍者は何も装備していない場合、レベル1でAC:8、以後3の倍数レベル毎に1下がります(レベル3でAC:7、レベル6でAC:6、レベル9でAC:5…といった具合)。装備品を1つでも身につけると、他の職業と同様にAC:10を基本値として計算されます。
ボルタック商店で最初から買える防具のうち、忍者に装備できて最も良質なものは
・STURDY ARMOR(ますらおのよろい) AC:-6
・IRON SHIELD(てつのたて) AC:-4
・HELM(かぶと) AC:-1
・GLOVES of COPPER(どうのこて) AC:-1
 これら全てを装備すると、AC:-2となります。全裸でAC:-2になるためには、なんとレベル30まであげなくてはなりません。#1のラスボスであるワードナを倒すならレベル15程度で十分ですし、迷宮内でモンスターからドロップする防具には更に良質なものや、特定のダメージを減らしたりヒーリング効果のある装飾品があることも考えると、全裸忍者の耐久性は低いと言わざるを得ないでしょう。


忍者の攻撃について

 攻撃の命中率とダメージ量には、実際には攻撃者のSTR値に応じたSTRボーナス値が加算されますが、素手の場合でも武器を装備していても上昇量・上昇率は変わらないので、ここではSTR値が6〜15の場合(STRボーナス値が0)と仮定します。以下の文章における「攻撃力」とは、「1ヒットあたりに与えるダメージ幅」のことです。
 素手での忍者の攻撃力は2〜9(1d8+1)、最大攻撃回数はレベル1で2回、以後5の倍数レベル毎に1回増えます(レベル5で3回、レベル10で4回、レベル15で5回…といった具合)。レベル40で10回となり、それ以降は増えません。武器を装備している場合、最大攻撃回数には武器のAT値が、命中率には武器のST値が加算されます。ボルタック商店で最初から買える武器のうち、忍者に装備できて良質なものは、
・LONG SWORD(けん) 1〜8(1d8) AT:0 ST:4 
・BLADE of BITING(よいたんけん) 2〜7(1d6+1) AT:2 ST:4
 と、素手と比べて攻撃力が僅かに低い程度です。つまり、相手に与えるダメージは、AT値とST値を考慮すると武器を装備していた方が高くなりやすいということです。カシナートの剣や手裏剣などの強力な武器ならば、素手より遥かに高いダメージを確実に与えられるでしょう。
  クリティカル成功率は攻撃者と対象のレベルに依存しています。まず、CLV= 攻撃者のLV (上限 25) として成功率 CLV/50 の確率判定を行い、成功したら更に成功率 (24-対 象のLV) / 35 (負の場合は0%) の確率判定を行い、これも成功するとクリティカル が発動します。確率判定は攻撃が1回でも命中すると行われるので、武器を装備して攻撃回数が増えれば攻撃をすべてミスする確率が低くなり、結果的にクリティカルも出やすくなります。


全裸、ダメ、ゼッタイ

 耐久性、攻撃面の両方において、全裸忍者よりも装備を固めた忍者の方が強いということが分かりましたね。レベルを上げまくれば、ACが超低い忍者になって、敵の通常攻撃をほぼ回避することも可能なので、クリア後のやり込みとしては全裸忍者もありなのかなーと思います。

  検証にあたって、Wizardry(NES)解析得物屋を参考にさせていただきました。

2017/03/02 追記

  FC版#2〜3、WS、PS、SFC版等では上記の通り最大10回まで素手の攻撃回数に武器のAT値を加算しますが、初期のPC版やFC版#1では素手の攻撃回数と武器のAT値を比べて高い方を参照となっています。この計算式の場合、SLAYER of DRAGON(ドラゴンスレイヤー)2〜11(1d10+1、AT:1 ST:1)以上の攻撃力がある武器を持っているなら、装備した方がより高いダメージを出せます。転職で忍者を作れるほど進めているプレイヤーならば、この程度の武器を手に入れるのは難しくないでしょう。LONG SWORDとBLADE of BITINGでは与えるダメージは僅かに低くなってしまいますが、ST値による命中率ボーナスがあるので、装備させない方が良いとは言い切れません。
  また、FC版#1では味方のACが参照されないバグ、防具の属性抵抗の効果が正しく機能しないバグがあります。防具を装備させる意味がほぼありませんが、全裸に拘ってACを下げる意味も同様に無くなってしまうので、やはり武器は装備させた方が良いと思われます。

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